ストレッチと聞くと、なかなか毎日するのが嫌な人が多く効果を実感する前にやめてしまうことが多いのではないでしょうか?
今回は、そんなストレッチについて書いていきたいと思います。
*硬さが解消されない理由
1.ストレッチのやり方が違う
2.継続力、頻度が少ない
3.ストレッチのコツを知らない
4.伸ばしやすい形をつくれていない
などがあげられます。
同じストレッチをしても、個人差により柔軟性や伸ばしている部位により硬い、柔らかいがあり他にも伸ばしやすい方向、角度、強さにより感じ方も変わってきます。
もちろん年齢や性別による筋量、骨格の違いや生活や運動の習慣なども関係がありますので影響は様々です。
なぜ体が硬くなってしまうのか
まず筋肉は使いすぎても、使わなくても硬くなってきます。
皆様は「年齢のせい」と諦めている方が多いとおもいますが高齢でも素晴らしい柔軟性をお持ちの方もいらっしゃいます。
なのでそれが原因だけとも言い切れないのです。
そうでなくても、例えば腰の前屈、後屈をしたときに行きやすい方、行きにくい方向の差があるはずです。
そして使わない筋肉は運動量が減少し体の柔軟性が落ちていくのです。
日常の生活だけでは、跳んだり投げたりなど大きく関節や筋肉を動かすことが減ってしまい活動量の低下に伴い、血流が悪くなるので柔軟性を保つことが難しくなり硬さがより際立ってしまいます。
もちろん使い過ぎもよいことはなく、筋肉が硬くなってしまいます。
筋肉は縮むことにより力を発揮するため、座っている姿勢や歩いているだけでも筋肉は絶えず収縮しています。
なので、その状態を保つだけでも負荷が常に集中しかかっているので体を支える筋肉は次第に硬くなっていきます。
ストレッチで体が柔らかくなるのか
単純に縮んだ筋肉の組織が伸びれば柔軟性が高まります。
例えばですが、体を右に側屈すれば反対の左側の脇の筋肉が伸び腰を前屈すれば、それに伴い足の裏が伸びてきます。
この時に伸びているのはもちろん筋肉になるわけですがもう少し詳しく述べると腱(筋肉と骨をつなぐ収縮性のあまりないもの)関節を支える靱帯(関節部につき安定性を高める)関節包(関節の動きを滑らかにする滑液を包む膜)筋膜などが一緒に伸びています。
それらが伸び続けると徐々に限界をこえて関節の可動域が増大し柔軟性が向上していきます。
ちなみに、入浴後に柔軟性が高まるのは血流が良くなって一時的に筋膜が
緩みやすくなった状態ですので、時間がたつとすぐに効果がなくなります。
効果的なストレッチの方法
*主なストレッチの種類
スタティックストレッチング(静的ストレッチ)
反動を用いず関節を動かしながら筋肉を伸ばす方法。
効率よく可動域が広がり柔軟性が増し疲労回復にもよい。
ダイナミックストレッチング(動的ストレッチ)
関節の動きを大きくすることにより筋肉の伸長と収縮を繰り返す方法で
トレーニング要素とウォーミングアップの特性を兼ね備える。
パートナーストレッチング
二人一組で動きをサポートしながら行う静的ストレッチ
柔軟性が低い、力みがでてしまいうまく伸ばせない部位などによい。
などがあげられます。
*ストレッチのコツ
1 しっかりと伸びた状態から30秒はポーズを保つ
みなさまはひとつのストレッチにあてる時間はどのくらいでしょうか?
きくとだいたい平均10秒くらいが多いように思います。
ストレッチを行う上で大切なことは先ほど述べたように
しっかりと筋肉が伸びた状態で30秒間その姿勢を保つことです。
基本的に筋肉は30秒ほど伸ばし続けることにより構造上緊張が緩和しやすくなります。
2 痛くても気持ちのいいくらいの刺激で伸ばす
ストレッチをする際に、楽な刺激では常に動かしている状態と変わらない為
柔軟性はいくらたっても身に付きません。なので多少痛いくらいで
行うといいと思います。しかし、注意することもあって過度な刺激は
筋肉への悪影響を及ぼしてしまう場合があります。
それを伸張反射といいます。
伸張反射とは、筋肉が受けきれないほどの刺激を感受すると脳から自動的に
「縮め!」という指令がなされ伸ばそうとしても伸びない現象です。
そのため無理なく程よくの刺激で行うのがいいのです。
3 伸ばしている状態では呼吸をしっかり
みなさまはストレッチ中に呼吸はどのようにしていますか?
当院では、患者様にストレッチを行う際に見ていると、痛みに堪えてしまい
呼吸をするのを忘れていたり、していても浅く小刻みな呼吸をしているかたが
とても多いように思います。この状態では筋肉は緊張しており実はしっかりと呼吸をするのはとても大事です。
さらに欲をいえば深呼吸がとても望ましいです。
大きく吸って長くゆっくり息を吐く、これだけ
吐く時間が長いに比例してリラックス効果のある副交感神経が優位になり
筋肉の緊張が抜けやすく血流もよりよくなります。
4硬くて伸ばしにくい部位を優先に
なかなか耳が痛くなる話ですが、楽に伸ばせる部位ばかりひたすら
伸ばしていてもあまり意味があるとはいえません。
ストレッチはもともと硬い部位や疲れやすくなって硬くなりやすい部位を伸ばすのが効果的です。さらに細かく考えると左右差や前後の硬さによる
アンバランス差も考慮しなくてはなりません。
そうすることにより体の負担が軽減し、怪我のリスクも勿論
日常で動かすのも楽になります。
*最後に
みなさまが他に疑問をもつことといえば、週にどの程度ストレッチをすれば
いいのか?ではないでしょうか?
できるのであれば最低でも4・5日。できることなら毎日でも構いません。
ただ全身を毎日となると時間も足りないでしょうし、続けていくのが
飽きるのが目にみえています。
なので月曜日は首と腕、火曜日は腰と背中などといったように部位別で
分けてやることによって解消できると思います。
後は市販で購入できるストレッチポールや伸縮性のあるストレッチバンドなど
があるのでそういったのを使用することにより正しい姿勢でストレッチが
可能となるのでおすすめです。
当院では、患者様にストレッチを行う前に手技マッサージにて筋肉を緩め
循環を高め筋肉の緊張を除いて伸ばしやすい状態にしてから
ストレッチを行い症状の改善を図ります。
また自宅やお仕事場でできる簡単なストレッチ方法を指導いたしますので
ご相談ください。
次回より各部位のストレッチ方法を紹介していきますのでお待ちください。