本日は脳しんとうについて話していきたいと思います。
まず初めに脳しんとうを漢字で書くと「脳震盪」という字を書きます。
脳が震え動くといういわゆる脳内で地震のような現象が起きているという意味の漢字が使われています。
皆さん脳しんとうと聞くと、ラグビーやアメフトなど体の大きな選手たちが、激しいタックルをし、頭に衝撃が加わり起きてしまう疾患だとなんとなく理解していると思います。
しかし、本日はそんな脳しんとうが日常生活でも起こり得るということについてお話ししていきたいと思います。
実は通学、通勤中に転んだり、机に頭をぶつけるだけでも十分起こる可能性があります。
脳が揺さぶられると脳内の神経が捻れたり、伸びたりして一時的に脳が動かない、いわゆる「停電」のような状態になってしまうのです。
この状態のことを脳しんとうと呼びます。
さらに脳しんとうは、MRIやレントゲンで異常が見られず、外見上の変化がなく脳内で起こるため、本人ですら症状に気づかず、見過ごしてしまう場合があります。
完治したかどうかも脳神経外科医でなければ判断することはできません。
気づかず過ごしてしまったことで、後遺症が残ったり、最悪の場合、死に至るケースもあります。
選手や身近な人が頭を打ってしまった際の緊急対応としてSCAT5という評価方法があります。
スポーツ中の具体的な評価方法として、
〇今どこの競技場にいますか?
〇今は試合の前半、後半ですか?
〇前回の対戦相手を覚えていますか?
という記憶力の評価
△今は何月ですか?
△今日は何日ですか?
△今日は何曜日ですか?
という認知力の検査があります。
まだまだ評価や検査の方法がありますので気になる方は以下のURLからPDFを参照してみてください!
https://www.jfa.jp/football_family/pdf/medical/b08_02.pdf
頭をぶつけてから帰宅後の過ごし方として運動、テレビ、スマホ、勉強、読書、入浴※シャワーはOK、など脳への刺激は避けるようにし必ず誰かが見守るようにしましょう。
脳しんとうの予防策として
・家やコートなど転倒しやすい床などは予めチェックして滑らないようする。
・階段では手すりを利用する。
・ラグビーやバスケのスポーツで体格差や体力差が出ないような練習で工夫する。
・中学1年生と3年生など体格に差がある状態でプレーしない。などがあります。
脳しんとうの症状として、頭痛、吐き気、めまい、光や音に敏感になる、疲れやすい、動きや考えが鈍くなった、集中力低下、いつもよりイライラするなどがあります。
これらの症状が受傷直後にみられたらSCAT5は行わず、すぐに救急車を呼び医師や専門の医療従事者にの診察を受けるようにしましょう!